麹町学園女子中学校高等学校の校長として2年目を迎えました。
本校は女子校として、106年間、女生徒の成長段階の特徴を生かした教育を行ってきました。この混沌とした社会情勢の中で、建学の精神である「自らの人生をデザインし、目標に向かって努力できる女性を育成する」ために、2012年度、「新たな一歩」を踏み出します。
これまでの麹町学園の良さである「みんなで学び、みんなで楽しむ」という雰囲気を大切にしながら、さらに学力向上や進学をも意識した取り組みを導入していきます。
麹町学園は6カ年教育の中高一貫校です。私立中高一貫校における6年間の学校生活の位置づけを明確にし、より高い目標を設定し、その実現のために努力する生徒を育てたいと思います。
中高6カ年を2年単位で次のように位置づけ、6カ年を見通した指導を徹底しようと考えています。目ざすは生活面・学習面でのバランスのとれた健全な生徒の育成です。
- 中学1年/中学2年(第1期)……「基礎期」
- 中学3年/高校1年(第2期)……「充実期」
- 高校2年/高校3年(第3期)……「発展期」
具体的には次のように位置づけられます。
- 基礎期……
- 「中学1年2年をどのように過ごしたか」、「学校としていかに方向づけをしてやれたか」ということは極めて重要であり、その後の成長に大きな影響を与えます。6カ年一貫教育のすべての面で基礎となる最も重要なこの時期に生活習慣・学習習慣を確立することによって、生徒の「その後」が見えてくると言っても過言ではありません。
また教科面でいえば、中学2年では主なる教科は中学校課程をほぼ修了するので、高校課程の土台となる学力を確立する必要があります。 - 充実期……
- 中学3年は高校0(ゼロ)年生と捉えています。「言われたことができる」から「言われなくてもできる」に変わっていかなければなりません。
高校入試という試練がないので、それに代わる大きな目標を設定し、それを克服することで成長していきます。
また高校1年では、自分の将来の夢を具体化し、自分の適正にあった文理選択をしていきます。 - 発展期……
- 高校2年では目指す次のステージに向けて、理想と現実をしっかり見据えて自分を伸ばしていきます。そして高校3年は「夢の実現」に向けて、6カ年のまとめを行います。
この3期の中で最も重要期と位置付ける第1期「中学1年・2年」では、クラス担任を二人制とし、生活面 ・学習面において子供たちをより手厚くみることによって、可能性をこぼさないようにしていきたいと思っています。
重要なこの時期に、二人の担任が互いにコミュニケーションを取ってクラス内の情報を共有することによって、複眼的な考察が可能になり、多様な視点からのきめ細かな指導・対応ができます。生徒は担任と接する機会が多くなり、異なる視点からの指導を受けられ、多様な価値観にも触れられます。また、保護者にとっては早い段階から学校との連絡がより密になり、教育相談 ・三者面談を容易に行うことができるとともに、二つの視点から生徒の様子を知ることができます。一人の担任で見ることには限界があり、また先入観が先に立って正しく見られないこともあるかもしれませんが、二人の担任が綿密に協力 ・連携しあうことによって、一人ひとりの生徒をよく理解した指導が可能になるのです。
生徒に伝えたいことはたくさんあります。挨拶の仕方、掃除の仕方、時間を守る大切さ、人に対する感謝の心、他人への思いやり、どんなことがイジメか、友達の作り方、どれもこれもこの世で社会生活をしていく上で「当たり前に身につけてほしいこと」であるだけに、しっかり意識しないとなかなか身につかない事柄でもあります。
麹町学園の卒業生はこの3月で25.000名を超えました。かつて「良妻賢母」の校訓のもと教育された卒業生は、「麹町」で過ごした6年間に誇りを持って各界で活躍しています。
「教わったことは、みんな当たり前のことばかりですよ」という卒業生の方の話しをよく耳にします。
現在では「良妻賢母」は「聡明・端正」と言い換えられましたが、意味するところに変わりはありません。2011年度の新たな出発にあたって改めて、生活面でも学習面でも「当たり前のことが当たり前に出来る」そういう「普通の女性」を育てたいと思っています。


