
- 1941年 鎌倉生まれ
- 創立者大築仏郎は母方の祖父
- 1964年 慶應大学経済学部卒、住友商事入社
- NY駐在、イラン住友商事会社社長、原油部長、
ハノイ事務所長、USJ取締役歴任 - 2005年 麹町学園参与、理事長、校長兼務
- 2010年より理事長、現在に至る
理事長 相川 忠洋
麹町学園は明治三十八年に私の祖父大築仏郎が26歳の時に創立、今年107周年を迎えました。その頃は、教育は男子だけのものという風潮が強く、女子も学問、教養、礼節を身に付けた人を育てて世に送り出そうと創立しました。長い歴史を通じて時代に対応して今日まできたのですが、卒業生は2万5千人を超えています。
私は16歳のときの米国留学体験を通じて、世界にはいろいろな国がある、言葉や皮膚の色も違うし、習慣の異なった人たちが大勢いますが、基本的にそれらの違いがあっても、国境はない、つまり、お互いに"共にいきている"ということを自ら実感しました。
子ども達にも、いずれ迎える社会生活をする上で、自分を知り、他人を知り、お互いに尊敬し合って共に生きるということを学んで欲しいと思いますし、そのために、いろいろな体験をすること、卒業生や講師を迎えて話を聞いたり、海外の学生達との交流など積極的にすすめてきました。
7年前に中高一貫路線を打ち出した教育方針は徐々に着地しています。世の中のニーズは進学実績を求めて、期待もされていますが、建学の精神は自立した、教養を身につけた女性を育むということですから、一人一人の子どもがそれぞれの進路を見据え、そのために必要な知識、経験を積むことが大事だと思います。校長を兼務した時期には、折りあるごとに、"元気に明るく挨拶をしよう"、"年上の人ときちんと敬語を使って話をする習慣を身に付けよう"と声かけをしてきました。 毎朝、玄関に立って、登校してくる子ども達が応えてくれて成長してゆく姿を見るのが張り合いでした。今でも折々朝の挨拶を交わしてその日の元気をもらったり、校内を歩いていますが、楽しみの日課となっています。
他方、災害や事故など不測の事態に見舞われる危険性が常に存在していることを思う時、まず、自分の命は自分で守るという意識を持つことが基本です。私のイランでの戦争体験から学園の安全対策については、特に力を入れて取り組んできました。この点はUSJというテーマパークでも共通した課題でした。
昨年3月11日の東北大震災の日には、500人を超える生徒教職員が在校していましたが、以前より、"大震災で帰宅できない時"というマニュアルを作り、まず、安全が確認されるまでは学校に待機するという基本方針が徹底されていたので、さしたる混乱もなく、一晩過ごしてから、翌日昼過ぎには全員帰宅したという実践経験をしました。
一昨年迎えた上野校長が教育現場の長としてより良い教育をという信念で、新しい路線をうちだして、更なる改革に取り組んでいますが、私の立場で教育環境の維持向上ということを意識して、上野校長をサポートしながら、長年商社で培った、国際感覚、経験、知識、人脈などを生かして、社会が求める人材とは、ということを念頭に教育現場に最大限生かして子ども達と共に麹町学園のさらなる成長を求めて行きたいと思っています。
- 鎌倉の思い出 (「麹町学園だより」より)


