教育の特色

こうじまちの2人担任制

2人担任制がスタート! 最初のステップを着実に踏んで6年間の学校生活を充実したものに

 慣れない電車通学が始まり、クラスメートは面識のない人ばかり・・・・・・。
 中学1年生は、とかく不安な材料がいっぱいです。
 そこで本学園は生徒たちが早く学校に順応し、生活習慣が確立できるように、2人担任制を導入しました。
 異なる視点で、生徒一人ひとりの様子をチェックし、メンタル面をしっかりフォロー。
 いつも先生に見守られている安心感のなかで、生徒たちは落ち着いた毎日を送り、学習にもじっくり取り組むことができます。

学年だより

担任が父親役、母親役を 生活面を手厚くフォロー

 麹町学園は、平成24年度から高校募集を停止し、6年間で、じっくり生徒を育てる「完全中高一貫校」に生まれ変わりました。そして、中1・2を基礎期、中3・高1を充実期、高2・3を発展期と設定。基礎期である中1・2年では、2人担任制を導入し、道徳の授業やホームルーム、校外活動などを受け持っています。

 1学年につき1~2名の副担任を置く学校は多いものの、クラスに2人正担任が入るのは、極めて画期的なことです

 「中学で身に付けた社会性や学習習慣は、高校へ上がっても大きな影響を及ぼします。つまり、早い段階でよい習慣を定着させれば、充実した6年間を過ごすことができるのです。それだけ、中学1・2年は大切な時期。けれど同時に、精神が不安定な時期でもあり人間関係のトラブルも起きやすい。だからこそ、担任が2人入ってきめ細やかな指導をすることが必要なのです。また、広く見渡せる男性、細々としたことに気付く女性というバランスよくペアを組んでいるので、お互いの持ち味が活かせます。クラスのなかに、相談しやすい父親役と母親役がいるので、生徒たちも安心するみたいですよ」学年主任、河越多衣子先生は、2人担任制をそう評価します。

必要に応じて相談する先生を選択

 実際、1年生の道徳の授業をのぞいてみると、生徒たちは担任が2人いることを自然に受け入れている様子。先生同士の連携もスムーズです。またこの日は、授業の終わりに、遠足の班分けをすることになりました。「自分たちで決めたい」という生徒の意見を尊重し、先生たちは後ろで静観。早速、クラスの代表委員が前に出て、一緒になりたい人で集まるように声をかけます。その後、孤立する少人数グループがないように、人数を調整。「女子の班決めはもめるのでは?」という予想に反し、10分もかからずに、6つの班に分かれることができました。

小林先生

 「生徒に全部任せるのは、正直不安もありますが、結果としてはよかったですね。クラスがまとまっているのは、生徒の間で気遣いができるということ。入学後、短期間でいい状態が作れたのは、2人担任制の効果だと思いますよ」と、小林誠先生。

2人の担任が力を合わせ2倍以上の効果を

 成果の多い2人担任制だが、2人で意見をすり合わせる時間や、エネルギーが必要なのも事実。ベテランの先生にとっては、1人で進める方が効率的だろうし、若手の先生は、気後れすることも多いのでは?

「確かに、今までは自分のサイクルで動くことができました。しかし、1人だと早急に判断をしてしまい、見落とすことがあります。たとえば、ある生徒を評価する時、2人いれば、自分の先入観だけで『こういう子だ』と決めるけることはできません。時間をかけることで、『こんな一面もあったんだ』と、新たな発見ができるのですね」と、20年以上のキャリアを持つ小林先生。一方、若手の黒澤先生は「最初に思っていたより、小林先生の前で緊張しませんでした(笑)」とのこと。「私は積極的に関わりたい人で、小林先生は遠くから見守るタイプ。お互いのやり方を尊重し合いながら、生徒を指導していきたいと考えています」
 そして最後に、小林先生が、こんな言葉を残してくれました。「担任が2人になることで、教員側の負担が2分の1になるという考えは誤りです。2人が力を合わせ、3にも5にもその力を増幅していかなければ、本来の目的を達したとは言えないのです」

黒澤先生

2人の担任が、生活面をサポート! 学習や部活に意欲的な生徒を育てます

 入学後の早い段階で、学校に慣れ、生活習慣を確立できれば、その後の6年間はとても充実したものになります。
 そこで麹町学園女子中学校は、生徒をしっかりサポートできるよう、1年と2年の各クラスに、2人の正担任を配置しました。

タイプの違いを分析し、相談する先生を使い分ける

 2人担任制について、生徒たちはどう思っているのでしょうか?ベテランの小林誠先生と若手の黒澤佐知香先生が受け持つ、中1のクラスメイトに話を聞いてみると、「先生同士の仲がいい。2人で話し合って、役割分担をしていると思う」、「もし、担任が1人だったら、今みたいに、先生とたくさん話ができなかったかも・・・・・。2人で良かった!」、「1人の先生が来られない時があっても、必ずもう1人の先生がそばにいるから、安心できる!」と、好意的に受けとめている様子。なかには、「先生が教室の前後にいると、気が抜けない。姿勢が悪いと、後ろから注意されてしまうから(笑)」と言う子も・・・・・。

 また、「男の先生には言えないことが、同性の先生には話せる」、「小林先生は、全体を見渡し、黒澤先生は細かいところを見ている感じ」、「小林先生は言葉遣い、黒澤先生は提出物に厳しい」と、先生のタイプを冷静に分析。相談をする時は、その時々の状況に応じて、生徒の方が、先生を使い分けているようです。

安心感が根底にあるから何事にもがんばれる

 今では、すっかり学校に溶け込んでいる中1生ですが、入学当初は、緊張でガチガチに固まっていたのだとか。しかし、小林先生は、「この子たちは、今まで見てきた新入生よりも、学校に順応するのが早かったですよ。6月の保護者会でも、『楽しく学校に通っている』『小学生の時よりも、学校の様子をよく話してくれる』といった声が多く聞かれました』と、2人担任制の効果を確信しています。

 そんな生徒たちは、学習においても、「前より自分から勉強するようになった」、「話をしやすい先生が多いから、わからないところは、すぐに聞きに行く」と、積極的に取り組んでいるようです。また、ほとんどの生徒が部活に所属し、「先輩との上下関係が大変!」と言いながらも、楽しく活動しています。「勉強と両立できるよう、がんばる!」という宣言も飛び出しました。

 生徒たちの話から見えてきたのは、学校生活の根底に、2人の担任に見守られている安心感があるから、毎日をイキイキと過ごせるということ。また、生徒同士、先生と生徒間が良好な関係にあれば、学習や部活動にも意欲的になれるということです。

 「クラスの雰囲気は、うるさすぎるくらい明るいですよ!」ある生徒の言葉が、麹町学園の日常を物語っているようでした。

中1・2年は、6年間の基礎を作る大切な期間

 平成24年度から高校生の募集を停止し、完全中高一貫校に生まれ変わった麹町学園。6年間かけて、生徒をじっくり育てるために、さまざまな改革をおこなっています。

 その1つが、中1・2年における2人担任制。中1・2年は、生活習慣や学習習慣、さらに学力の基礎を身に付ける、とても重要な時期。その一方で、精神が不安定な年頃でもあり、人間関係などのトラブルを起こしやすいのも事実です。これらの状況を踏まえ、2人の担任が入ることで、生徒の様子をしっかり把握し、きめ細かなサポートができるようになりました。

担任は、ベテランと若手、かつ男性と女性というように、バランスのよい組み合わせに。ホームルーム、道徳の授業、清掃、個人面談、校外活動などを、一緒に指導しています。

「今の1年生は、先生とよく会話をしていますね。また毎年、先生に見てもらいたくて、あえて目立つ行動をとる生徒がいるのですが、今年は見当たりません。全体的に、落ち着いた学校生活を送っているようです。もしかしたら、以前は生徒たちを見きれていなかったのかな?と思うぐらい、変化が表れていますね。」中1の学年主任、河越多衣子先生は、2人担任制導入後の印象をそう語ります。