「百十周年に当たっての想い」

世の中には様々な学校があり、その中には「名門校」といわれる学校があります。往々にして「進学状況」を基準に語られますが、それでは「名進学校」といったほうが妥当ではないでしょうか。

私は長く私学に関わってきましたが、私立の学校には「創設者」がおられ、そこには必ずその学校創設への「想い」があります。それが「建学の精神」です。

その「建学の精神」によって創設された学校は、その精神に沿った教育を連綿と引き継ぎ、それがまさに「伝統」となり、その中で「学校の個性(特長)」なるものが強く醸成されていきます。

麹町学園は大築佛郎が明治38年(1905年)に創設し、その建学の精神は「聡明、端正」。そして、「社会の中で自ら輝く女性を育む」という考えは、明治という時代にあっては相当に近代的で先進性のある「想い」であったと言えるでしょう。

私が麹町学園の校長を拝命してこの学校を訪れ、「聡明、端正」という建学精神を知った時、まず強く感じた事は、そこに、110年も以前の明治という一大パラバイム(価値観)転換の時代に、生徒一人一人の「個性」を大切にし、社会の中で「自立した女性の力」を育むという、まさに現代へとつながる先見性です。

前回の記事で、日本の「百名山」について書きました。名山とは「品格」「歴史」「個性」を兼ね備え、見る者、登る者にそれを強く想わせる山々であり、決して「高きが故に」ではありません。

麹町学園は、その建学の精神に「品格」を掲げ、110年という、日本が途方もないほどに短期間で激動した時代を「歴史」として持ち、生徒一人一人への目配りを怠らない「個性」を育むという教育を堅持し、それがまさに麹町学園の「個性」ともなっています。

「品格」「歴史」「個性」を兼ね備えた麹町学園。その矜持を持ち得る学校です。建学の精神に培われた揺るぎない今の姿に、ここから始まる新たな歴史への「想い」が湧き上がります。「百名山」を登る時のように。

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