Active Science

教育の特色Education

本学園創立者 大築佛郎

現代社会において必要とされている「論理的な思考力・批判的な思考力」を身につけることを目的としています。

そして、本学園の創立者である大築佛郎の「科学の目を開くことをはじめ、広い知識や教養を身につけた女性を育てる」という意思を具体化した取り組みです。

Active Scienceの狙い

「Active Science」は、中学生の理科の授業でおこなう取り組みで、以下の資質・能力を養っていきます。

  1. 実験・観察を繰り返すことによって、プロセスを考えていく能力を養っていきます。
  2. 生徒の活動中心の授業を展開することで、問題解決に向けて主体的に取り組む力、自主的に思考する力を身につけていきます。
  3. グループ学習での生徒間の積極的な話し合いによって、言語能力・コミュニケーション能力を育成していきます。
  4. 実験では身近な素材や教材を扱うため、理科に対する苦手意識をなくし、学習意欲を高めていきます。

サイエンスは私たちの生活に身近なもので、社会の中のさまざまな場面で活かせる学問です。

自ら学ぶ姿勢を持ち、学びをデザインできる女性。豊かなコミュニケーション能力をもって、社会に貢献する女性。本学園は、みらいを創造する女性の育成を目指します。

Active Scienceのアプローチ

上記の狙いを達成するため、以下のようなアプローチでActive Science を展開します。

1)まず自分で考えるという習慣をつける

ただ実験・観察を増やすのではなく、体験学習のサイクルを意識した、「まずはわからないなりに 自分たちで考えてみる→実験・観察によって情報を集める→考察&教科書で捕捉」という授業構造によって、 自主的に思考する力とプロセスを考えていく能力を育てます。

一例として 、 以下のようなアイディアが考えられます。

  • 教科書に答えが載っていない実験・観察を提供する
  • 教科書に載っている実験・観察をする場合は、+αの問いを出す
  • 生徒が自ら進んで考えたくなるような、生徒の興味・関心を引く導入や、日常へと学びがつながっていくような授業の終え方を工夫する
  • 仮説を立て、求めたい結果が得られるような実験を生徒自身がデザインする

2)“違い”と“間違い”を活かすファシリテーションを用いる

自分とは異なる視点に気づくことは、自分の学びを深めるきっかけとなります。生徒ごとに異なる得意不得意(Multiple Intelligence;多重知能)や個性を活かして授業を進行・評価することで、学習意欲と自己肯定感を高めていきます。

また、実験の失敗や現在の科学的な常識と異なる意見を否定するのではなく、そこから何がわかるか、それを次にどう活かせるかに目を向けることで、予想外の場面でも問題解決に向けて主体的に取り組む力を育てていきます。

3)さまざまな形の言語活動を取り入れる

個人・ペア・グループ・クラスなど、さまざまなサイズで話し合い、ブレインストーミング・レポート執筆・プレゼンテーションなど、さまざまな形式の言語活動を取り入れることで、生徒の多様性を尊重しながら言語・コミュニケーション能力を育てていきます。

4)“正解”が一つでない問いや、問いかけを用いる

“正解”が一つに絞られるような問いや問いかけは、思考や探究が広がりにくくなります。地球温暖化や生物の進化など、絶対的な正解がまだ定まっていない問いや、オープンエンドな問いかけ(回答が選択式でない問いかけ)を用いることで、より実践的で、未来志向のサイエンスを展開していきます。

また、“正解”の幅が広がることで、“不正解”の幅が狭まる、つまり今の科学的常識と異なる意見は不正解ではなく可能性であると考えることで、理科に対する苦手意識を軽減してきます。

Active Scienceの位置づけ

Active Scienceは決して知識を軽視するものではなく、生徒たちが「これについてもっと知りたい」「この先を考えたい」と主体的に知識や探究と向き合っていけるようにするためのものです。したがって、全ての時間のやり方を大きく変える必要はありません。

ただし、上記で示したようなアプローチを教師が意識して授業をおこなうことは、生徒たちの興味・関心やモチベーションを高めるために重要になります。大切なのは【何をやるか】ではなく【どうやるか】、つまりActive Scienceは生徒との関わり方による授業改革です。実験・観察は、教師と生徒の関係を講義型とは違った双方向なものにするための手段であって目的ではありません。